秩父・三峯神社


   


今回は諸事情により公共交通機関を使用することになった。

集合はJR大宮駅中央自由通路インフォメーションセンター前に 7:50

いつもはいい加減な時間設定の”長老”も、今日は電車やバスを

乗り継ぐとあって、タイムテーブルを作成。

”かろやん”との夜の飲み会に備えて時間厳守なのだ。


大宮駅 8:04 発の高崎行き普通電車に乗り込む。

車内は結構混雑しているが、なんとか空席を見つける。

8:42 熊谷駅着。 ”長老”は到着時間を 8:31 と勘違いしていて

次の列車の乗り継ぎ時間の少なさにちょっとあせる。


熊谷駅では秩父鉄道に乗り換えるべく移動。

秩父鉄道は乗降客が多く、切符売り場と自動券売機の前は

ハイキング姿の中高年と小学生くらいの子供達で結構混雑している。

この混雑は何と言っても 『Suica』 が使えないのが原因だろう。

券売機で何とか切符を購入。 三峰口まで920円也。

この切符がまた硬券と呼ばれる昔ながらの硬い紙質の切符で、

鉄道好きには非常に懐かしいシロモノだ。

ホームにはすでに羽生行きの列車が入線していた。

あせっていた”長老”は、あやうく乗り込むところだった。

”かろやん”がいなければ羽生まで行っていたに違いない。

日程 : 20071117日(土) 晴れたり曇ったり

行程 : 大宮駅(JR高崎線) ⇒ 熊谷駅(秩父鉄道) ⇒ 三峰口駅(西武バス) ⇒ 三峯山駐車場(徒歩
      ⇒ 三峰ロープウェイ・三峰山頂駅(徒歩) ⇒ 
三峯神社(徒歩) ⇒ 三峰ロープウェイ・大輪駅(徒歩) ⇒ 大輪(西武バス)
      ⇒
 三峰口駅(秩父鉄道)
 ⇒ 熊谷駅JR高崎線) ⇒ 大宮駅


羽生から来る 8:51発 『三峰口』 行き列車に乗る。

列車は国道140号線と交錯しながら西へ進む。

行楽客で混雑する車内は、寄居を過ぎると空き始め、

車窓には色づいた秋の山並みが見え始める。

県内屈指の観光地である『長瀞』ではかなりの乗客が下車。

駅周辺は人で賑やかなようだ。

10:19 『三峰口』 着。 熊谷からは約90分の乗車。 結構遠いなぁ。

ここから三峰山までは片道650円也のバスに乗る。

駅前のバス乗り場はハイカーで混雑している。

先に 10:29発 『中津川』行きのバスが出る。

ハイカーはこのバスに乗ると思ったのだが、

乗客はあまりいないようだ。

みんな 10:40発の『三峰山駐車場』行きに乗るらしい。

朝食を食べてこなかった”長老は”この待ち時間を利用して

三峰口駅前の立食いそば屋へ。 おお、結構いけるな。


西武秩父駅始発の『三峰山駐車場』行きのバスは

満席の乗客を乗せて到着。 立っている人もいる。

ここから『三峰山駐車場』までは約45分。 立って行くのはつらい。

が、ここで臨時バス登場。

『三峰山駐車場』までは2台でつるんで行くようだ。

それでもバスは満席。 けっこう混むんだね。

バスは途中、『大輪』、『秩父湖』に停車するも降客はほとんどない。

バスの窮屈さがイヤになって来た頃に『三峰山駐車場』着。 11:40

さすがに山の上だけあって結構寒い。

が、紅葉は今頃がピークのようで、周囲は色鮮やかだ。

さあ、ここからは徒歩で『大輪』のバス停まで山を下るのだ。


まずは廃止を前提に運休中の

三峰ロープウェイ・三峰山頂駅』へ向かうことにする。

右の写真の道を上りきると、大きな土産物屋がある。

寒いのでストーブが焚かれており、行楽客で賑わっている。

”かろやん”はここでカップ酒を購入し、歩きながら飲み始める。

”長老”は酒好きだが飲まない。

カップ酒はあの化学調味料っぽい味と

ベチャッとした飲み口がどうも好きになれないのだ。

どこかに私好みのカップ酒はないものだろうか。


三峰ロープウェイ・三峰山頂駅』は『三峰山駐車場』から

【三峯神社】を挟んで反対側にあるが、

駐車場からはけっこう距離があり、ずいぶん歩くようだ。


しかし、三峰ロープウェイ】の運休・廃止に伴って

『三峰山頂駅』から【三峯神社】へ向かう参拝客やハイカーは皆無となり、

途中に数件ある土産物屋は閑古鳥が鳴いていたり

閉店を余儀なくされている状態である。

三峰山駐車場から三峯神社方面への整備された道。


秩父鉄道が運営する【三峰ロープウェイ】は、

1939年開業という70年近い歴史を持つが、

施設の老朽化が進み、20065月より運休。

経営面の事情により施設の更新は行われず、

2007121日にて廃止が決定した。

これに伴い、ロープウェイの代替バスも今月末で廃止され、今後の

三峰山への交通機関は、土日にバスが運行されるのみとなった。


人影のまったくない【三峰山頂駅】には、

まだ真新しいトイレが併設され、廃墟の雰囲気はない。

まあ、ここまで歩いて建物を荒らしに来る物好きもいないのだろう。

しかし、この施設の取り壊しにも多額の費用がかかると思われ、

この先、ここは放置されるのだろうか。

物音ひとつしない 【三峰山頂駅】を後にして【三峯神社】に向かう。


ほどなく 【三峯神社】着。

さすがにここには人がいてちょっと安心。

この神社の歴史は古く、はるか日本武尊(ヤマトタケル)の時代に

創設というから、かなり由緒のある神社である。


境内には『興雲閣』という温泉(三峯神の湯)のある宿泊施設もあって

賑やかなな雰囲気と静寂な神社が対比をなしている。

参拝したり、写真を撮ったりしているうちに

時刻は既に12:30をまわってしまった。

麓まで下りて、14:20 のバスに乗るには、ちとキツイ時間だ。

昼飯も食わなくてはいけないし・・・。

14:20 のバスに乗り遅れると、次のバスまで2時間は待たなくてはならない。

まあいっか。  あせらずゆっくり行くことにしよう。

1000系と呼ばれる旧国鉄の101系(昔の山手線)が現役で走っている。
【三峰山頂駅】に向かって一礼する変なオヤジ。


歩いていると寒くて手がかじかんでくる。 ”かろやん”は軍手持参。

自分だけ暖かい思いしやがって、なんて思いやりのないヤツだ。


途中に【縁結びの木】があった。

右の写真ではわかりづらいが、この社の後ろに2本の木が

絡み合うように生えていて、御神体になっている。

備え付けの用紙に好きな人の名前を書いてお願いすると、

御利益があるらしい。

”長老”は独身なので、お賽銭を納めて丁寧にお参りする。

駐車場から神社方面へ整備された道を上って行くと、風情のある土産物店が現れる。
数多くの参拝客やハイカーを運んだ索道も取り壊しを待つばかりとなった。
【縁結びの木】にお参り。


神社の祭祀の赤色と木々の色がなんとも綺麗で

もう少しゆっくりしたいが、そうも言っていられない。

『大輪』の集落に向かって山を下りるべく歩き出す。

が、山を下りる道がさっぱりわからない。

標識がないのだ。


前に来たことのある”かろやん”が、

「確かこっちだぞ」

と言って、道の左手にある階段を上り出す。

上った所は、『遥拝(ようはい)殿』と呼ばれる

神社内で下界が一望できる唯一の場所。

こから妙法ケ岳山頂の奥宮を遥拝する場所のようだ。


【遥拝殿】の傍らに山を下る道が延びている。

案内図が掲げてあり、この道が三峯神社の表参道であり、

『大輪』へ下る唯一の道のようだ。

【転落事故多発注意】の看板が出ている。  おいおい、表参道だろ?


階段状の細い道は、やがてクルマがやっと通れる幅の林道へ出る。

何々? 【熊出没注意】だって?  おいおい、表参道だろ?

今日は”かろやん”と一緒だから良いものの、

こんな道、ひとりで歩きたくないなぁ。


石碑には、『清浄瀧』とある。

それほど大きな滝ではないが、

山道を行き来する人達にとっては、癒しの空間である。


昔、三峯神社の行者が修行に使った場であるらしく、

趣のある雰囲気が漂っている。


しばしの休憩である。

のんびり走りで森林浴】主宰の”かろやん”からハイキングのお誘いがあったので、行って見ることにした。

”かろやん”と言えば秩父。 行き先は有無を言わせず秩父だ。(秩父しか知らないという噂も・・・)

”かろやん”が秩父限定で提案したいくつかのコースの中から、”長老”は『三峰山』を下るコースを選定。

ロープウェイも廃止の方向で運休中だし、その代替バスも11月末で終了とのこと。 記念に行っておこうという趣旨だ。

JR大宮駅。 高崎行きはたぶん8番線ホームだったと記憶する。
秩父鉄道・三峰口駅前。
三峰山駐車場。 ここまでバスが来るが、ここから先は徒歩。

駐車場周辺の紅葉もピークらしく、赤、黄、緑のコントラストが鮮やかだ。

駐車場から三峯神社へはもう少し登るようだ。
【三峰山頂駅】には立入禁止の張り紙が。
【三峰山頂駅】からは『大輪』や『三峰口』らしき街が見える。
【三峯神社・社務所】
【三峯神社・拝殿】
【三峯神社・拝殿】
【三峯神社・祖霊社(それいしゃ)、国常立(くにとこたち)神社】
【三峯神社・神楽殿】
【三峯神社・拝殿】
【遥拝殿】からの眺め。 ここから山道を下山する。


細い山道の途中にポツポツと民家が現れる。

電気のメーターがわずかに動いているので、

廃屋ではないようす。

徒歩でしか来られない場所に、何故民家があるのだろうか?

昔の参拝者のために、旅館を運営していた名残なのだろうか。

道の勾配も結構急だし、麓の大輪まで3kmくらいある。

クルマもバイクも通行不可。

こんな山中に家があるのはどう考えても変だ。

山道の途中に民家が。 建てるのも大変だったろうなぁ。
つづら折れの急な山道。 登るの大変だよ。
途中、【薬師堂跡】にて一休み。 山を下ると膝がつらいのだ。
【薬師堂跡】で既にヘトヘト。 まだ半分も来ていないのに・・・。
何か変な 『たんこぶの木』 発見!
途中に滝があった。 川があると言うことは、けっこう谷間まで下ってきたってことかな?
癒しの空間、 【清浄の滝】
昔の表参道も、今では健脚向けのハイキングコースだ。
幹の太い杉並木が歴史を感じさせ、表参道の名残を残している。


ようやく【三峰ロープウェイ・大輪駅】までたどり着いた。

左の写真は今下ってきた道。

大輪駅横から延びる三峯神社表参道の入口である。

今回の山歩きですれ違ったのは34組のハイカーのみ。

健脚コースだけあって、山道を歩き慣れた人達が多いようだ。


 

【三峯神社表参道入口】


大輪駅は訪れる人もなく、その役割を終えひっそりとしている。

秩父の名所がひとつ無くなったのは寂しい限りである。

 

ただここは【三峰山頂駅】と異なり、

ハイキングコースの入口として、少ないながらも

人通りが途絶えることはないだろう。

 

【大輪駅】から国道140号方面へ向かうと、

荒川に綺麗な橋が架かっている。

紅葉も見頃で良い感じだ。

さあ、次のバスは16:20まで来ない。

遅い昼食にしよう。

大輪地区、三峰ロープウェイの入口にかかる大鳥居。
大鳥居の前の店で遅い昼食。
”長老”は天ざる、”かろやん”は天丼を食す。


三峰山駐車場を15:45に発車したバスは、

大輪バス停に16:20に到着する。

”かろやん”が小用をたしている間にバス到着。

「お〜い!バスが来たぞ〜っ!」

”かろやん”あわててバス停に戻る。

どうも大事な用事を中断したらしい。

西武秩父駅行きのバスは帰りも2台でやって来た。

先頭車は満席。

2台目のバスに空席が少々といったところ。


10分程で秩父鉄道・三峰口駅着。 300円也。

ここで降りる乗客は少しだけ。

ほとんどの人が西武秩父駅まで行くらしい。

秩父市中心部へは渋滞があるので、電車の方が早いよ。

お花畑駅で西武線に乗り換えできるし。


ちょうど16:46発羽生行き急行に乗る。

急行料金200円也が別途かかる。

三峰口駅まで帰ってきた。 もう夕暮れが近い。
オレンジバーミリオン色の旧101系(左)。 昔の中央線そのまま。
右の急行列車は6000系、西武の新101系の改造車両だ。
閉ざされた【三峰ロープウェイ・大輪駅】駅舎。


熊谷駅に着き、JR高崎線に乗り換える。

新幹線が発着する熊谷駅は明るく賑やかで、

秩父鉄道から乗り換えると、

まるで田舎から都会に出てきたような気持ちになる。

 

本来なら大宮に戻って久し振りに”かろやん”と飲み会の約束だったが、

”かろやん”は見たいテレビがあるから帰ると、自分勝手なことを言い出す。

まあ、酒飲みたくないヤツと無理に飲んでもつまらないので、

しかたなく大宮で解散。

”長老”は酒飲みがメインだったのに、何か裏切られた気分。 

「テメ〜約束守れよな! そんなことやってると友達なくすぞ!」

しかたなく大宮近辺の駅で用事を済ませ、立食いそばを食って帰る。

そういえば今日は3食とも 『そば』 だったなぁ。

好きなんだよね〜。 そば。

夕暮れの三峰口駅は人影が少ない。
外は冷え込んでいるが、電車の中はホッカホカ。
疲れも手伝って思わずウトウトする。
しかし、このテーブル。 懐かしいなぁ。
【三峯神社境内】
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