タウシュベツ川橋梁 】


今回の出発地点は、 【糠平鉄道資料館】。

ここで、【タウシュベツ川橋梁】へのアクセス情報を確認するのだ。

何故そんな面倒なことをするのか?

去年までは、国道273号線から糠平三股林道を経由して

誰でも自由に橋に行けたのだが、今年(2009年)より糠平三股林道が

ゲートにより封鎖され、クルマやバイクによる通行が許可制になったらしいのだ。

【糠平鉄道資料館】での情報では、クルマのみ通行不可で、バイクや自転車、

徒歩ならゲートの脇から通行が可能とのことである。

が、ゲートから橋までは4km程の距離があり、

徒歩では往復で約2時間の道程とのこと。

日程 : 200956日(水) 晴れ

行程 : 糠平鉄道資料館(R273) ⇒ タウシュベツ展望台(R273) ⇒ 丸山橋(糠平三股林道) ⇒ タウシュベツ川橋梁


【糠平鉄道資料館】から【タウシュベツ川橋梁】へ向かう途中、

国道273号線沿いに 『タウシュベツ展望台』 が出来たので、寄って見る。

国道の路肩に駐車スペースが設置されている。

が、スペースが狭く、道に対して斜めに駐車するため、

糠平側から来た場合、ちょっと止めにくい。

夏季の混雑時は駐車車両と、通過車両で事故が起きそうだ。


【タウシュベツ川橋梁】へ通じる【糠平三股林道】の入口は、

湖の北側と南側にあるが、糠平ダム横から入る南側ゲートは

【タウシュベツ川橋梁】手前付近で落石の危険があるために

昔から閉鎖されていることが多く、【タウシュベツ川橋梁】へは

北側からアプローチするのが一般的だ。

国道273号線から【糠平三股林道】へ入るとすぐにゲートがあり、

案の定閉まっている。


私はクルマに自転車を積んでいる。(っちゅーか、積みっぱなしなんだが・・・)

組み立てが面倒なのであまり乗らないのだが、今日は自転車”もた〜るU号”の出動だ。

クルマをゲート付近の交通の邪魔にならない場所に止めて、自転車の組み立てを開始する。

車載の折り畳み自転車、”もた〜るU号”の出番だ!
少し走ると糠平湖が見え始めた。

ゲート前でうらめしそうに見ている人達をバックに意気揚々と走り出す。

ウエストバッグにはしっかりと熊鈴がぶら下がっている。

路面は大きな凹凸も少なく良好である。

けど、ダートの林道はアップダウン多すぎ。 ってか平らな道がない。

熊鈴を鳴らし、ヒーヒー喘ぎながらペダルを踏む。

しかし、熊出没多発地帯にたった独りというのは結構恐いものだ。

途中、徒歩でチャレンジしている男性二人組とすれ違う。

すれ違いざまに二言三言挨拶を交わす。二人なら心強いかもしれないが、

しかしアップダウンを徒歩で往復2時間はキツイだろうなぁ。

前述したが、 【タウシュベツ川橋梁】 はコンクリートアーチ橋である。

湖の水位により毎年水没を繰り返し、冬季は雪や凍結の厳しい

自然環境にさらされるため、橋に加わる自然外力が大きく

同時期に竣工した橋よりも老朽化の進み具合が早い。

【タウシュベツ川橋梁】は1937年(昭和12年)の竣工というから、

既に築70年以上が経過している。

鉄筋コンクリートで外枠(外形)を造り、中には石が詰まっている構造で

あることから、コンクリートが崩壊すると橋全体が倒壊する危険性がある。

修復の声も出ているようだが、私は遺構としての自然崩壊を望む。

【タウシュベツ川橋梁】への分岐点。
自転車”もた〜るU号”の右側に廃線跡があり、そこを進んでいくのだ。

森林に囲まれた廃線跡が途切れると、石ころの広場になり

その奥に糠平湖が広がる見通しの良い所に出る。

石ころの広場はタウシュベツ川の河川敷であり、その先には待望の

【タウシュベツ川橋梁】が姿を見せている。

規制のおかげで、誰もいない【タウシュベツ川橋梁】を独り占めだ。

このような抜群のロケーションの中を、鉄道が通っていたことを思うと

感慨も一塩であり、またこの地に鉄道を敷設した先達の苦労が

伺い知れるようである。


【タウシュベツ川橋梁】。 【タウシュベツ橋梁】とも呼ばれる。

北海道河東郡上士幌町の糠平湖にある廃橋である。

大雑把な位置は、帯広市の北、層雲峡・三国峠の南になる。


旧国鉄士幌線の鉄道橋(コンクリートアーチ橋)であった。

鉄道橋は元来、『川に架かる橋』という意味合いで、

『糠平川橋梁』とか、『第三音更川橋梁』など、

川の名前を付与して命名されており、

【タウシュベツ川橋梁】も、音更川水系タウシュベツ川に

架かる橋であるため、【タウシュベツ橋梁】ではなく、

【タウシュベツ橋梁】が正式な橋梁名だと思われる。

しかしまあ、そんな細かいことはどうでもいい。

とにかく、崩壊の危機にあるこの国鉄の遺構には

是非一度行ってみたかったのだ。


今年のGWは、この【タウシュベツ川橋梁】が

旅の第一目標であり、メインイベントなのである。

国鉄士幌線・糠平駅跡に建てられた 【糠平鉄道資料館】。
入館料は100円である。
糠平湖とタウシュベツ川橋梁。
展望ポイントは以外と狭いが、眺めは良い。
糠平三股林道。 北側ゲートはやはり閉まっていた。
糠平三股林道方面を振り返る。
廃線跡は川になっている。
廃線跡の先にタウシュベツ川橋梁が見えてきた。
士幌線は単線であったため、橋の幅は線路1本分だ。
崩壊が始まっているため、橋上は立入禁止になっている。
 HOMEDRIVE > タウシュベツ川橋梁


訪問時は5月で、一年を通して湖の水位が一番低い時らしく、

展望台からコンクリートアーチ橋がしっかり確認できた。

実際に橋まで行かなくても、ここの眺めで満足される方は

結構多いのではないかと思う。

帰りの林道でパチリ。
このカーブミラーの向こうは崖になっており、
その下には士幌線旧線の廃線跡が残っている。


もちろん熊出没の多発地帯であり、注意と覚悟を要することは言うまでもない。(徒歩では熊鈴と水筒が必携とのこと)


また、【糠平鉄道資料館】での情報の他に、運良く地元警察の方にゲート閉鎖の話を聞くことができた。

規制の大きな理由は、【タウシュベツ川橋梁】が有名になり、観光客の増加に伴って事故が増えたことが大きな原因で、苦肉の策とのこと。

  @狭い林道で、すれ違えずに接触事故を起こしたり、対向車を避けられずに路肩に脱輪したりするクルマが増え、

    中には横転したり谷に転落したりするクルマも多々あること。

  A林道を走ったことがないクルマが初めて林道に入り、安全確認や運転を誤って事故を起こしたり、立ち往生したりすること。

  B誰でも気軽に行ける観光地と勘違いし、サンダルやハイヒールで訪れ、足を取られて怪我をする人が多いこと。

  C駐車スペースに入りきれないクルマが、林道脇に路上駐車し危険であること。

  D橋自体も老朽化が進み、脆く危険な場所に平気で立ち入ったりする人がおり、また環境保護の意味合いからも規制は妥当な措置であること。

そんなことがアクセス規制の主な原因とのことだ。

私が実際に行ってみた感想としては、林道は1.5〜2車線の道幅があり、ダート路面の状態も良く、かなり整備された極上級の林道と感じた。

内地にはこのような走りやすい林道は少ないと思うが、ここで事故が多発するということは、かなりの交通量があったのだろう。

最初は、『何で通行規制に・・・』と少し不満を持っていたが、警察の方のお話を伺い、納得した。

徒歩2時間はつらいが、私のクルマには自転車が積んであるので、取り敢えずゲートまでクルマで行き、そこから自転車で橋を目指すことにする。

今年(2009年)より国道273号線沿いに 『タウシュベツ展望台』 が オープンした。
(国道に標識有り)  利用は無料だが、展望台や駐車スペースは
それほど広くないので、シーズンは混みそうだ。
展望台へは士幌線跡を越えて行く。 線路跡は遊歩道になっている。
タウシュベツ川橋梁の方は旧線で、こちらは新線の廃止跡である。

なんとか駐車スペースにクルマを止め、いざ散策。

森の中へ入っていくが、きちんと標識があり、また展望台への道には

ウッドチップが敷かれており、迷うことはない。


このゲートを越えて【タウシュベツ川橋梁】にたどり着くには

以下の三つの方法がある。

 @ゲート脇をすり抜け徒歩で向かう。
    一般車両通行止めであり、徒歩は問題ない。自転車もOKのようだ。
    バイクは狭いゲート脇を通れないと思われる。
     (徒歩では熊鈴をつけたり、複数人数での行動をお勧めします)

 A見学ツアーに参加する。
    NPOひがし大雪自然ガイドセンターがツアーを主催しています。
    有料になりますが一番安心です。

 B申請して通行許可をもらい、ゲートの鍵を借りる。
    北海道森林管理局十勝西部森林管理署東大雪支所に事前申請します。
    鍵を借りて入るのは良いですが、最後に鍵を閉めて、
    その鍵を返しに行かなくてはなりません。
    手間や時間がかかり、観光客には不向きです。

今回は@の方法で自転車を使ってアタックすることにする。

ダートを走るので、タイヤの空気圧はやや低め、

サドル・ハンドルの固定、ブレーキ調整、

変速機確認、ペダル取付・・・

あ〜めんどっくせ〜!


そんなことをしている内にも、けっこうクルマがやってくる。

閉ざされたゲートを確認してはUターンして引き返して行く。

やはり【タウシュベツ川橋梁】の人気は高いようだが、

人力でゲートを超えていく人は少ない。(ってか、ほとんどいない)


ほどなく 『タウシュベツ川橋梁見学者入口』 の看板が現れた。

クルマで訪れた場合は、ここが駐車スペースとなる。

【タウシュベツ川橋梁】へはここから右へ分岐する小径を入っていく。

この小径は士幌線旧線の線路があった跡とのことだ。

左の写真のように、廃線跡は現在では川になっており、

(この時期だけの雪解け水だろうか?) 途中倒木が道を塞いでいる。

泥濘の状況から、もう自転車で進むのは無理があるので、

この倒木の所に自転車”もた〜るU号”を置いて歩いて行くことにする。

ここにレールが敷かれていた。
橋の端部は既に鉄筋が姿を見せている。

橋脚表面を入れて、タウシュベツ川を撮してみました。


【タウシュベツ川橋梁】はゲート閉鎖によって、

一般車両の通行が規制されたことにより、

本当に行きたい人だけが訪れる場所になったようだ。

今後も一種の聖地として、訪問者を制限し、

橋の自然崩壊を見守って行きたいと考える。



 HOMEDRIVE > タウシュベツ川橋梁
既に部分的な崩壊が始まっている。